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廃棄

 

「これは少し形が悪いから売れないんだよ」

 

「大きすぎたり、小さすぎたり、崩れてたりするワケあり商品を安く買えるお店です」

 

「商品の味を安定させるために徹底的に管理された機械で製造している」

 

 

 

主に食品に多いと思うんだけど、全てが同じような形、大きさ、重さにならないと『売り物としての価値がない』という思想が恐ろしい。

 

味は変わらないのにほんのちょっと形が悪いだけで『売り物にならない』野菜、味に違いが出るとクレームになるのであろう製造物。

 

 

全部揃える。同じにする。

 

 

 

少しでも違うものははじき出す。

 

 

 

人は人間に対しても同じことをしているなと思うんだ。

 

 

でも人間は組織から"廃棄処分"されても死ねるわけじゃないから、苦しいよな。

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道にこういう物が落ちていると切なくなる。

 

かわいいものだから尚更。

 

持ち主はなくしたことに気付いたのだろうか。

 

せめて気付いてもらえていたらいいなと思う。

 

目の前の現実があまりにも現実味をもって迫ってくるから

 

私はイヤホンから流れる音楽でフィルターをかける

 

現実を薄める

 

そうしないと心を守れない時がある

お題「この色が好き」

 

 

空の色が好きだ。

 

水色の絵の具ででたらめに塗ったような夏の空も、少し霞んでいるような薄い色の空も、申し訳程度の数の星を浮かべる夜空も。

 

 

でも私が一番見るのが好きなのは、夕方と夜の間の空の色。

 

 

私の住む街では鮮やかに真っ赤な夕焼けなんてそうそう見れないのだけれど、それは置いておくとして私が好きなのは夕焼け空と言って大多数の人が想像するような空ではない。

 

 

下の方は夕焼けが残り、上から夜の闇が迫って、その間は溶け合うように紫がかっている。

 

そんなふうに夕と夜が共存する空の色に、昔から何故かたまらなく惹かれる。

 

 

単純に部活の帰り道やらに見る機会が多かったかもしれない。

 

でも、ただただ真っ赤な夕焼けよりも、私はあの空の方が綺麗だと思ってしまうのだ。

傍観

優しさって一対一のものだと思ってた。

 

渡す側と、受け取る側の間で存在するものだと。

 

 

渡す側の思ったように受け取る側が優しさに救われることもあれば、

渡す側の意に反して受け取る側が傷つくこともある。

どちらに転んでも、優しさがそういったことを起こすのは、あくまで2つの心の間でだと思っていた。

 

 

 

 

誰かが別の誰かに向けた優しさが、自分の心を抉ることがあるなんて、知らなかったんだ。

お題「最近見た夢」

 

昔からあまり夢を見ない方なんだけど、最近時々夢を見る。

 

 

シチュエーションや出てくる人達は毎回まちまちだが、どの夢でも共通しているのが、

 

 

前に進みたいのにどうしたって足が動かない

 

 

という場面でいつも目が覚める、ということだ。

 

どんなに急いでいてもどんなに力を入れても地面に張り付いたように足が動かない。焦れば焦るほど足は重くなっていく。周りの音が遠くなっていって、景色もぼんやりしていって、

 

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目が覚めると足がいつもより重たい。重いのは、足だけではないのだけれど。

 

これ夢診断とかしたらどうなるんだろう。いやでもあんまり知りたくないような気もする。

 

夢には深層心理が反映されると言うけれど、私の底には何があるのだろう。

あの子

 

「〇〇お誕生日おめでとうー!」

 

 朝、いつも通り登校すると教室の一角から声が聞こえる。一人から始まり、声の輪が大きくなっていく。その声に囲まれたあの子は少し照れくさそうに、でも嬉しそうに笑って「ありがとう」と応える。

 

中心にいる彼女を、私は遠巻きに見つめていた。羨ましかった。あそこにいてみたかったと思った。でも叶わないことを知っていた。だからそう思うのをすぐにやめた。

 

 

 

世間的には全力で年度末。学生的には春休み真っ只中。そんな春の日に私は生まれた。

 

授業なんてない。祝いの言葉に囲まれる"彼女"には私はなれない。数少ない仲のいい友達が祝ってくれたのは嬉しかったけど、やっぱり私は"あの子"が羨ましかった。

 

 

それでも、誕生日を嫌いにならずに済んだのは、春だったからだと思う。

 

桜が咲く季節に生まれたこと、誕生日を迎えると桜が咲いていることはとても嬉しいし、この季節で良かったと思える。

 

 

声に囲まれた"あの子"にはなれなかったけれど、桜の花に囲まれて、彩られて、私は歳を重ねてきたのだ。

 

 

もうすぐ桜が咲く。

今年もまた歳を取る。

新しい一年が始まるのだ。