夜という夢

 

夜、

喧騒が消えた町の

小さな小さな声寝息を聴くのが好きだ

 

微かだけど確かなその音がひっそりと部屋を満たしていく感覚が好きだ

 

それに、賑やかな昼間よりも

町が生きてるって感じがする

 

太陽の下を行きかう多くの人を見るより

暗い中灯る数えきれない光を見ている方が

そこに人が生きてるんだなあって思う

 

時々通り過ぎていく人の声や車の音も

町が静かな分はっきり聴こえて

それは喧騒じゃなくて

ちゃんと1人1人として認識できる

 

 

穏やかな気持ちで

世界と向き合って、受け止めて、溶けていけるような気がするんだ

 

 

 

二重の街

 

東京で生まれ育ち、きっとこれからも暮らしていく。

 

でも私の中では、

画面の中や他人の口から聞く“東京”と

自分が小さい頃から過ごしてきたこの町がいまいち一致しない。

 

人々の頭の中で作られている姿と、実際存在している姿。

 

『東京』は二つの姿が限りなく近い濃さで重なってできている世界なのかもしれないな。

 

この町について人が言うほど良いとも悪いとも思えず、

この町の名前を冠した曲をどんな気持ちで聴いたらよいものかもいまいちわからないまま

今日も私はこの二重の町で生きていく

透明じゃない世界から

 

ビニール傘が苦手だ

 

せっかく傘の中に小さな自分だけの世界ができてるのに、

その壁があんなふうに透明だとどうにも落ち着かない

 

あの世界にいられる時くらいは

外からこちらは見えなくていいのに

こちらからも外は見えなくていいのに

 

 

 

『透明な傘の内側で 僕らは世界を欠席する』

透明な傘の内側から/GOOD ON THE REEL

 

 

 

透明な傘は苦手だけどこの歌は好き